A(C)エーカッコシーからの脱却で、研修成果ゲット!!
もう死語になってしまった言葉かもしれませんが、エーカッコシーって言葉皆さんご存知でしょうか?
「人前では恥をかきたくない、常にカッコいい自分でいたい」なんて感情が強く働いてしまい、
体裁やカッコばかり気にする人のことを表現した言葉です。
実は研修の受講生に対して私はよくこんな話をします。
研修は大きくわけるとテクニカルスキル系とヒューマンスキル系に分けられます。
テクニカルスキル系はパソコンのブラインドタッチとか、アプリケーションの操作方法といった内容で
自主練習することでどんどんブラッシュアップすることができますし、
仕事における成果もすぐに期待できます。
ところがヒューマンスキル系はそうはいきません。
ここでいうヒューマンスキル系とは対人関係において活用するスキル、
例えばコミュニケーションやリーダーシップが典型的な内容です。
ヒューマンスキル系の内容は研修を受講したからといって
すぐに効果が期待できるかというとなかなか難しいです。
人に対して使ってみて、うまくいったりいかなかったりを繰り返しながら
徐々にブラッシュアップしていくのが普通です。
例えばコミュニケーションの研修を受講して帰ってきたら、
劇的にコミュニケーションが上手になった方を皆さんはみたことがありますか?
あまりそういったケースはみたことないのではないでしょうか。
ではヒューマンスキル系の研修は無駄なのでしょうか?
いえいえそんなことはありません。
研修の中で多くの方はさまざまな気づきや学びを得ています。
これは成長や変化に向けてのきっかけになります。
ただ実際職場に戻って使ってみてうまくいかなっかりすると、
「自分には向いていない」とか「相手が悪い」とか言い訳ばかりを繰り返したり、
あるいは「今までだってなんとかやってきたんだから、別に無理してもっと上手にやろうとか思わなくても」
なんて気持ちがおきたりしますよね。
残念ながら私たちの社会には慣性の法則というやっかいなものが作用していますから、
変わることをなかなか容易に認めてくれません。
ホントはここで上司のサポートがあったりすると嬉しいのですが、
これもなかなかままならない状況があります。
また大人になると人前で恥をかきたくない、
ましてや自分が管理職の立場だったりするとますます部下の前でみっともないところは見せられない。
影でこっそり練習してできるようになったら、研修で学んだことも使ってみようとは思うもののその練習機会がない。
結果なにも変わらない。このパターン結構多いのではないでしょうか?
実は昨年この状況を打破するためにある取り組みにトライしてみました。その取組みとは...
ある会社でファシリテーションの研修を3年に渡り実施していたのですが、
どうも職場で活かされていないとの意見が事務局からありました。
「特に最初のころは部長、課長が受講生の中心だったせいか、お互いにけん制しあってなかなか実践しようとしない。
弊社は子供の頃から、優秀と言われながら大きくなった社員が多いようで、エーカッコシーが多いんです。」とのことでした。
今回の受講生はまだ管理職一歩手前の方が大半で、大変チャレンジが精神旺盛でした。
そこで提案したのが、この研修の過去の受講生リストを今回の受講生に紹介してもらい、
先輩受講生に焚き付けながら会議改善ミーティングをそれぞれの部署で実施していただきました。
その後受講生の7割から続々と嬉しいメールが寄せられました。
主な内容としては:
君らががんばってる姿をみて自分もやらなきゃの気持ちになったよ
誰かがやってくれればと人にばかり期待して、自ら動かなかったことを反省させられたよ
会議に関する問題意識は皆多かれ少なかれあったので、会議改善会議は研修の内容も活かされ効果的だった
受講生同士がサポートし合ってやれば結構できるね
以上のような声が多く聞かれたようで、大きな成果につながりました。
一人の力は確かに小さいかもしれませんが、同じ思いを持っている方は組織の中には結構いるものです。
そこに火をつけ、協力を得ることでまずは小さな変化を起こし、
徐々に大きな変化へと結びつけていくこともできるのではないでしょうか。
是非皆さんも自らがチェンジエイジェントとなって働きかけてみてはいかがでしょうか。