最近研修を実施していて、
「どうすれば研修の効果を高めることができるのでしょうか?」
といったご質問を研修の事務局様からよくいただきます。
他社の人事の方と交流をしていてよく話題になるとのこと。
具体的には
「同じ研修を実施しているのに、ある企業では成果が出ている。
でもある企業では期待された程の成果が出ていない。
この差はいったい何ですかね?」
この問に対しては、様々な要因がもちろんあると思いますが、私はこの時あるデータを提供しています。
それは研修効果を高めるために影響を及ぼすインパクトを、横軸に研修前、研修中、研修後の時間軸を、
縦軸には研修担当トレーナー、研修受講生本人(トレーニー)、受講生の上司(Manager/BOSS)をとって
マトリックスを作った場合、どのようなインパクトの順番になるかを調査したデータです。
皆さんは、どんな順番になると思いますか?
実は下記のような結果になります。
Before (受講前) |
During (受講中) |
After (受講後) |
|
---|---|---|---|
Manager/Boss | 1 | 8 | 3 |
Trainer | 2 | 4 | 9 |
Trainee | 7 | 5 | 6 |
この情報ソースは、2002年に私が米国ニューオリンズで開催された
ASTD(American Society for Training & Development)の国際大会に参加した際に
ASTDメンバーのMary Broad & John Newstormによって提供されたデータです。
このデータから読み取れることとして、研修前後の上司の関わりの大切さです。
研修前に受講の意義をしっかりと伝え動機づけること。
いま抱えてる課題が何で自己の成長のために特に学んできて欲しいポイントは何か?
といった内容の意見交換のための時間を持つことが大切です。
もう一点は受講後のフォローアップです。
研修内容や学び気づきの報告の時間を取ること。
また研修内容を踏まえてのアクションプランの内容をフォローし、必要なサポートを行うこと。
これによって知識レベルの”頭でわかっている”のレベルから
行動に移し成果を獲得する”できる”レベルになることを支援することができます。
研修効果を高める要因は他にもたくさんあると思いますが、
まずは研修受講前後に上司の方が受講生の方の成長を応援する意味で、
関わる時間をとることの大切さを理解してもらえるように働きかけてみてはどうでしょうか?
またその後、仕組み化に取り組んでみるのもいいと思います。
研修成果をいかにあげていくかは、PFCも現在課題意識を持って研究に取り組んでいます。
ある程度研究成果がまとまったら、皆さんにご報告する機会を持ちたいと思います。