国内のある銀行でファシリテーション研修実施時に、ミーティングのルールの重要性を説明していた時のことです。
受講生の方から次のようなご質問をいただきました。
"私の部署のミーティングは皆な意見やアイディアを持っているのですが ほとんど発言しないんです。
ミーティングのルール設定でなんとかなるものですかね?"
この質問にお答えする前に、次のような質問をしました。
「Aさんは、皆が発言しない理由はなんだと思いますか?」
するとAさんは"うちの部内会議では、何かを提案するとほとんどの場合、提案者が担当者になってしまいます。
だから皆、思っていても口にしないんだと思います。実は私自身もそうです。"
「じゃ、Aさん担当してやってくれる?」って言われた経験をしてから発言を控えるようになりました。
そこで私は受講生の皆さんに、Aさんの部署のこのケースを改善し、議論を活性化するようなルールを考えてもらいました。
そして出てきたアイディアが以下のルールでした。
「言いだしっぺは原則として担当者にならない」
このルールは早速Aさんの部署で活用され、研修後2ヶ月が過ぎた頃に以下のようなメールをいただきました。
研修で皆さんの協力で考えていただいたルールの効果凄いです!皆が活発にアイディアを出すようになりました。
最初は担当者になりたくないという思いで皆な発言したようですが、
結果的に業務効率の改善が図られ、意見がどんどん出るようになりました。
ミーティングが生産的になったことで、皆が楽しそうに議論に参加するようになり、
部署の雰囲気までも明るくなったように思います。
ルールというと「人を縛るもの」等のネガティブなイメージを持たれがちですが、
実はチーム活動の活性化や効率化に大いに役立つものです。
是非皆さんも、メンバーのチーム活動への積極的な参加を促すようなルールを考えてみてください。